*互いが互いを

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僕は気付かない。 いつだって大切なことに。 馬鹿。 寂しがるなんてぜいたくじゃないか? というか勝手だ。 僕は、さっきまで幸はどこだと泣いていたのに、今は久しぶりの他人との夕食に少なからず心を踊らせている。 僕はかなり汗もかいていいたようで、気持ち悪かったからカッターシャツも脱いだ。 目の前の鏡に映る姿。 自分でも思う、貧相で白いからだ。 赤黒く浮かぶ、傷跡。 痛々しい。 自嘲気味に笑って、長袖のTシャツを着た。下は黒い制服のまま。 財布をズボンのポケットに突っ込んで 上着はそのままに玄関の戸を開けた。 僕は浮かれすぎてた。  
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