14人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんなぁ…」
「う、うん…?」
急に視線を上げ、僕を睨むように。
僕はビクッとする。
「お前のために食いに出てきたの!
行くとこはお前が決めろ!!」
「ぅ……」
「あ゛」
僕の固まった体と真っ赤になった顔を見て、
結城は、しまったと口をつぐんだんだと思う。
「あぁあもう、泣くなよー」
「うー、っご、ごめんなさいぃっ」
まったく。
そう言ってまた頭をなでた。
なんですぐ泣いてしまうんだろう、
しかも場所も関係なく。
とか考えても分からないけど、
小さいとき泣いた記憶がほとんどないなって気づく。
こうして他人とも触れてこなかったなって思う。
きっと対応の仕方が分かんないだけなんだ。
「はぁ?ファミレスでいいの?」
「うん、行ったことないし…」
「そうか…?
じゃぁそうするか」
とまあ、そういうことになって
目の前のよくテレビで
猫型ロボットがCMしているファミレスに入った。
すっごく久々で
なんか緊張していたら、
結城に背中を叩かれ笑われた。
“ぼくら友達みたいだね”
って思ったし、
言いたかったけど、
また笑われるような気がして。
最初のコメントを投稿しよう!