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JPOPは聞かない。
流行りの映画は基本的にアラを見つけて批判する。
大衆受けよりマイナー性。
善悪よりも良をとる。
私はネジ曲がった人間だ。 物事を角度をつけて見下ろす皮肉屋だ。
事が終わってからだと冷静に自己分析できるのだが、どうもリアルタイムだと上手くいかない。
私のこのひねくれた批判グセのせいで、誰かと映画を見に行くといつも口論になってしまう。
それがツンデレキャラよろしく、後にデレを感じさせるような可愛い批判の仕方ならまだしも、いかにも十代の、哲学を前菜だけたべたようなからっぽを理詰めした屁理屈批評をグダグダ並べ立てるのでかわいさの欠片もない。
おまけに「ゆとり世代」という血統書つきなので大人を苛立たせることこのうえない。
そんなんだから私には友達はおろか、先輩もいない。
ちなみに親もいない。
たったひとつだけあるこの貧相な体をぶら下げて、今日も私は他人の町を歩く。
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