0人が本棚に入れています
本棚に追加
ランプのまじん
宮川いうはいらだっていた。
日課としている散歩のコースに、最近少年たちがたむろしているからだ。
散歩コースに怪しい路地裏を選ぶいうも悪いのだが、若者特有の空気感がどうにも不快に感じるのだ。
その少年たちをどうにか追い払いたいいうは大義名分を探していた。
路地裏にたむろするような少年たちといえど、15から118歳くらいのまだ親の管理下にある子供だ。
突然半殺しなんかにしたら後味も悪いし、なんか頭のおかしいやつみたいで嫌だからだ。
とにかく理由がいる。
いうは自身の暴君の拳が、正義の鉄槌になる日を今か今かと待ち望んでいた。
その日は二週間もしないうちにやってくる。
気の短いいうにとっては一年に感じた二週間だった。
またあいつらがいるのかと苛立ちまじりのため息をはきながら歩いていると、いつもと様子が違った。
大体男だらけ五人で集まっている彼らだが、その日だけ一人女の子がまじっていた。
いかにもお嬢様、漫画にでてきそうな、とても彼らに不釣り合いなきれいな少女だった。
少年たちが間違って手を触れようものなら、黒服が突然やってきて、
「お嬢様に触れるな」
的なことをいいそうなかんじだ。
そんなあまりに場にあわない少女が少年たちの知り合いの
最初のコメントを投稿しよう!