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わけがなく、絡まれている、という状況だった。
嫌がる少女にいいじゃねえかと強引につれていこうとするいかにもな奴ら。
「そして正義の味方。」
宮川いうはとても正義の味方とは思えない狂気たれながしの笑みを浮かべて呟いた。
これぞ待ちわびた瞬間、高鳴る鼓動がいうにその感情が喜びであることを伝えていた。
へこみだらけのアスファルトがざっざっざっざっと軽快にステップを刻んでいた。
ながれる血液の速度に心地よさを感じながら頭のなかで脳内BGMをセットした。
なぜかジョニーBグッドを。
「あの、お願いします、やめてください。はなしてください。」
「君、藤原女子だろ。俺ら男子校で男ばっかでつまんないんだよ。」
「そうそう、だからさ今から友達集めて遊ぼうよ。」「お嬢様みたいな顔してけっこうヤってんじゃないの?意外にこんな娘があそんでんだよね。」
少年たちが一人の女の子を取り囲むようにしていた。今にも泣き出しそうな困り顔で女の子がなんとかその場を抜け出そうとしていた。
しかし下手なことをすると暴力を振るわれるかもしれないという恐怖で、ただみをすくめるしかできないでいた。
「お困りかなお嬢さん。」
暗闇に微かな光をみつけたかのごとく、その少女は期待のまなざしで声のほうにふりむいた。
声の質からして女性。慎重170センチくらいで細身、モデルみたいだなと思った。
顔は…月の光を背中にうけているため暗くてよくみえなかった。
「はい…困ってます。」
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