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あたしは、あの後ずっと屋上で寝ていた。
本当に好きなら、追いかけてくれるよね…
誰も来ない屋上は、静寂に包まれている。
やっぱり。
先輩は何であたしを選んだの?
溢れる涙を拭いすぎて、目尻がヒリヒリする。
―――ピンポンパンポーン
『1年3組、北川遥。
至急生徒会室に来てください』
先輩からの呼び出し。
進路調査表提出しろ、とかでしょ?
屋上の階段を降りて、廊下を歩いていると、先輩の放送に周りの女子がキャーキャー騒いでいた。
行かなくていいや。
あたしは、屋上に戻ろうと振り返り、また歩き出す。
でも、ある事が頭に浮かんだ。
先輩の気持ちを確かめられるチャンスかもって。
あたしは生徒会室に向かった。
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