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「変わったな…」
あたしは、先輩の言葉の意味がわからなかった。
変わった?あたしが?
ううん、変わったのは先輩の方。
でも、先輩が一瞬だけ悲しい顔をしたのも、私は気づけなかった。
本当に変わったのは私の方?
そんなはずない。
私は、あの時と変わらず…先輩が好き。
「何がですか?」
あたしが問いかけても答えない。
会長椅子に座り、背を向けたまま。
次第に涙が込み上げてくる。
我慢しようとしたけど、もう限界に達していた。
溢れる涙。
もう止まらない。
あたしは変わった。
あの時のあたしは、こんな泣く子じゃなかった。
気づかない間に、こんなにも弱くなっていたなんて。
「あ゛ー、もう!」
先輩は自分の髪をグシャグシャとかいて、頭を抱えた。
「ごめんなさ…」
あたしが誤ろうとした瞬間、一瞬だけ視界が真っ暗になったんだ。
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