*辛口な彼氏。

17/30
前へ
/32ページ
次へ
重なる唇は、一気に二人の体温を上げる。 あたしは自然と先輩の背中に手を回す。 先輩は角度を変えながら、優しく優しく触れてくる。 久しぶりのキスに、あたしは先輩のペースについていけなかった。 「せ…先輩…っ」 あたしの声に、先輩は一度唇を離した。 「何?」 先輩はかけていた黒ぶち眼鏡を外す。 その仕草が、ものすごく妖艶で、心臓が破裂しそうだ。 「大好きです…」 あたしの言葉に、先輩の表情が一変した。 あたしが言わなければ、 もう少し もう少し 甘い時間が 続いたのに…!! 言ってはいけない。 愛の言葉を、あたしはすっかり忘れていた。  
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

205人が本棚に入れています
本棚に追加