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重なる唇は、一気に二人の体温を上げる。
あたしは自然と先輩の背中に手を回す。
先輩は角度を変えながら、優しく優しく触れてくる。
久しぶりのキスに、あたしは先輩のペースについていけなかった。
「せ…先輩…っ」
あたしの声に、先輩は一度唇を離した。
「何?」
先輩はかけていた黒ぶち眼鏡を外す。
その仕草が、ものすごく妖艶で、心臓が破裂しそうだ。
「大好きです…」
あたしの言葉に、先輩の表情が一変した。
あたしが言わなければ、
もう少し
もう少し
甘い時間が
続いたのに…!!
言ってはいけない。
愛の言葉を、あたしはすっかり忘れていた。
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