*辛口な彼氏。

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  また眼鏡を外して、あたしを見つめてくる。 先輩のこんな瞳… 慣れてるはずなのに、思わず目を反らしてしまう。 聞こえてるんじゃないかってくらいうるさい心臓。 「遥、こっち見て?」 さっきの冷たい態度とは正反対。 先輩は私の頭を優しく撫でる。 優しく重なる唇は、私を素直にさせる。 ずるいよ…先輩ずるい。 あたしの弱いとこ知ってるからって… 名残惜しそうに離れた唇に、今度はあたしから唇を重ねる。 これも、先輩の思い通り。 近くでもわかる、先輩のニヤケた顔。 「んっ…大好き…」 あたしにばっか好きって言わせてさ… 先輩の口からも聞きたいよ… 先輩の腕に包み込まれる。 先輩の温もりに、視界がゆらゆらと揺れる。 抱き締める先輩は、優しかった。 まるで、今にも壊れてしまうかのように、優しく優しく。    
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