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「う゛ー…」
教室で机にベターッと、顔をふせる。
机の木の匂いは、あながち嫌いじゃない。
こうやって机にふせるのも、好きだ。
でも、机に顔をふせると息ができないのが、難点だと思う。
そんなあたしを見て、周りも口々にいらないことを言い出す。
「何あったの?」
「また先輩だって」
「いつものことでしょ」
《いつものこと》
あながち嘘じゃない。
あたしがこうやって落ち込んでるのは、いつものこと。
あたしの悩みも、"いつものこと"で片付けられてしまう。
そう考えると溜め息が出る。
あたしが溜め息を吐いたと同時に教室のドアが開いた。
一気にざわめきだす教室。
相手は大体わかっていた。
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