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俺の名前は羽月恋(ハヅキレン)。父親は,名優と言われドラマや映画に引っ張りだこの羽月櫂(ハヅキカイ)。なんか一応,芸能一族の跡取り息子らしい。
母親は元モデルの海原凜(カイバラリン)。海原家も,芸能一族だが演技に関しては素人同然だって聞いた。
俺は,演技なんて全く興味ない。今回のドラマ出演だって,タイアップの為に渋々受けたよ-なモンだし。
名優を数多く輩出してる羽月家の跡取り息子で海原家の血を引く俺が,演技に興味ないなんて最大の親泣かせだけどね。興味ないから仕方ないじゃん。
で,雫ってのは瀧澤雫(タキザワシズク)って言って瀧澤グループの会長の孫だけど既に後継者が決まってるから本人は至って気楽。気楽どころか,かなり好き勝手やってる。
「あ,恋。今日のイベント行くの~?」
「あ-。一応?仕事終わるまでに宿見つかれば」
「さっきの子,宿にするつもりだったんだ?」
「ま-ね」
「あの子,止めて正確かもよ?かなり後腐れあるらしいし」
………。雫の情報網は凄いからな~。そりゃ世界を股にかける瀧澤グループの情報網だもんな-。
「あ-。じゃあ,追い出して正解かぁ。なぁ,後腐れない子知らね?」
「共演者の茉莉花ちゃんとか?結構遊んでるってさ」
いやいやいや。共演者に手を出すのは,撮影最終日がいいじゃんか。
そこそこ遊んでても,一夜限りはしない雫だからな-。
聞いた俺がバカだった(笑)
「恋,時間だぞ」
マネージャーが呼びに来た。
「はいよ-。んじゃ,雫また後でな」
「了解なりぃ」
手をヒラヒラと振る雫に苦笑しながら俺は楽屋を出た。
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