日記

2/3
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「総司さん。矛盾しすぎですよ」 だんだん私の視界がぼやけ出した。 涙が溢れてきた。 【千鶴。泣いて。 悲しい時は泣いて。 我慢しなくていいから。】 私は何か許されたかのように、今まで溜まっていた涙がいっきに流れ落ちた。 【千鶴。嬉しい時は笑って。 泣いた後は また笑顔になって。 ごめん。 君の涙を拭うことはもう出来ないけれど、 君の幸せをずっと願っているから。 先に逝く僕を許して。 大好きだよ。千鶴。 この想いは永遠だ。 もう言葉で伝えられなくとも、 千鶴。この僕の想いは どうか忘れないで】 日記はここで終わっていた。 「総…司さ…ん。私…幸せでした」 流れる涙が止まらない。 「私も…総司さんを愛しています。ずっと…」 私はもう一度日記の最後のページのメッセージを見た。 下の方に とても丁寧な小さい字で 【たとえいつか 離れる時がきても 僕の心は永遠に君のものだ】 総司さんがいつか私に誓った あの言葉が書かれていることに気がついた。 「最後の最後まで、貴方は私を満たしてくれますね」 その言葉があるから私は今日も前を向けます。 総司さんと過ごした日々があるから 総司さんの残した たくさんの思い出や言葉があるから 私はまだ歩くことができます。 ふわっと温かい風が体を包むように窓から吹いてきた。 空を見上げれば 雲ひとつない晴れ渡った空だった。image=367008140.jpg
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!