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「頑張ってるみたいだね。」
と後ろから活発そうな声で喋りかけてくる女の子が一人。
そいつの名前は、清水 優奈(しみずゆうな)。
まだ背は、小さく俺と並ぶと頭一つ分くらい小さく見える。
長めの髪をポニーテールで留めていて、茶色っぽい色。
顔にはまだ子供のようなあどけなさが残る高校二年生だ。
優奈は俺に対して満遍な笑みを振りまきながら話し掛けてくる。
「さっくん!!何か手伝おうか~?」
俺はその愚かな救いの手を取るような事はしない。
「いや、止めとく。
早く奥で寝ればいい。」
そうそっけなく返してやると優奈は少し傷ついたような表情になった。
「ひ、酷い・・・私には手伝う権利も残されていないなんて」
優奈は、少し瞳に涙を浮かべながら声を弱々しくさせていく。
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