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虚ろな瞼に映るのは
掠れた色彩
捲り上げた布切れの隙間から
滑り込んでくるのは
凍てつくような 空気
だから
足元から崩れ落ちてゆく
残酷な現実達
灰色に見える未来と
向き合って 笑い合えば
空虚な映像が脳写される
待望んでいた時間は
指の隙間を滑り落ち
やがて地の上で
朽ち果てる
だから
何でもないような
その欠片を拾い上げて
透明なデイッシュプレートの上で
甘焦げ茶のソースを垂らしてみる
伏せた睫毛に輝くのは
まばゆい光の屑
ほら ご馳走の出来上がり
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