第一章

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 恐らく家のコックが作ったのであろう弁当を頬張りながら京一は苦笑いする。 「いいじゃん。課題はちゃんとやったんだから。それに全問正解だし」 「先生今日も泣いてたぞ?」 「それはお前のせいだろ。授業中爆睡してる奴が何で一番早く課題終わるんだよ?」 「そこは……」 「そこは?」 「やっぱり俺だからだろ」  自信満々にかつ誇らしげに京一は言い放った。 「何でそうなるのかな……しかも課題終わったらすぐに寝るし」  風助はパンで乾いた口を紅茶で潤しながら呟く。 「気にしない気にしない。それよりもお前の方がいい加減にしないと先生に怒鳴られるぞ」  特に心配した様子も無く京一は一応といった形で忠告する。
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