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「そんなこと気にしなくていいだろ……」
「いや~お前の恥ずかしい過去が分かれば弱味の一つでも握れるかなと思ってさ」
「何でこんな嫌味たらしい奴が学校内で一番女子から支持されるんだよ……」
風助がうなだれながら呟く。
成績優秀、品行方正、眉目秀麗という三拍子……いや、親が日出市で最も大きい総合病院の院長を務めているのだから四拍子揃った完璧すぎる人間。
加えて身長も180後半と高く、何度かモデルのスカウトも受けたそうだ。
それを『めんどくさいから』という理由で断るのは彼らしい。
それが神崎(かんざき)京一である。
天は二物を与えないそうなのだが、どうやら神崎京一には与え過ぎてしまったようだ。
「そりゃあ、俺が完璧な人間だからだろうな」
「それを自分で言うか?」
「もちろん」
京一はさも当たり前のような顔をして頷いた。
その様子を見て風助は再びうなだれるのだった。
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