第一章

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「はぁ……昼休みの最後に疲れた……」  風助は自分の席に倒れるように座った。 「でもよかったじゃねぇか。ぶつかったのはあの『姫様』だぜ?」 「その姫様ってのは我が儘極まりないけどな……」  二人が話しているのは先ほどの少女、『本宮美奈子』(もとみや みなこ)についてだ。 本宮美奈子。 通称『姫様』。 身長150後半、発展途上の胸、しかし腰はくびれている。 顔は筋の通った鼻、少し切れ長の目、艶のある黒髪。 少し……かなり気を強くした大和撫子。 それが本宮美奈子だった。 今日の髪型はポニーテールだったが、彼女は毎日髪型を変える。 本人曰く気分が切り替えられるのだそうだ。 才色兼備、文武両道の彼女は過去に全国テレビに出たことをきっかけに校内のみならず校外、いや日出市中の有名人だった。
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