1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、風助」
背中で誰かがつついてくる。
「何?」
つついてくる人間なんて自分の後ろの席の人間しかいない。
隣の京一が起きていれば話は別だが、彼は未だに夢の世界にいる。
「すごいね……黒宮さんの魔術」
「はぁ……こーちゃんもそんな事信じてんのかよ?馬鹿馬鹿しい」
風助は目の前で軽く興奮している幼馴染の佐々木光太(ささきこうた)に呆れる。
身長百五十後半、それに加え童顔と言う未だに幼さの残る彼は、目の前で起こった事態に興奮していた。
その表情を見ながらため息をつく。
何故なら風助にはどうして足立教諭が腹を抑え出したのか粗方理由が分かっていたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!