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「何で?風助だってさっきの見てたでしょ?」
「あれにはちゃんとした原因があるの」
「原因って?黒宮さんの黒魔術が原因でしょ?」
当たり前の様な表情で光太は言う。
「馬鹿……さっき足立先生な……職員室でケーキ食ったんだよ」
「それがどうしたの?」
「そのケーキ……二週間前のケーキだったんだよ」
「つまり……腐ってたってこと?」
「そういうこと。まぁ冷蔵庫に入れてたって言ったってケーキは二週間もほっといたら腐るだろうな……俺だったら食わない」
「本当?何か嘘臭い気がするんだけど……」
「信じるも信じないもお前の勝手だ。俺はさっき職員室で見た事をそのまま言っただけだ」
そう言って退屈そうに風助は外を眺める。
不意に窓に水滴が付着する。
「雨降ってきたみたいだな」
「え~……僕傘なんて持ってきてないよ……」
「俺だってそうだよ……自転車で来たっていうのに……まぁ誰かのを借りて帰るかな」
そう言って二人は本降りになりだした空を見上げた。
灰色の空からは雨が無数に降り注いでいた。
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