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「おらぁ!」
五十代半ば、少しよれよれになったスーツを着た男が路地裏のごみ捨て場に殴り飛ばされる。
殴り飛ばしたのは頭にバンダナを巻いてサングラスをかけた男。
側にはもう一人、髪の毛を金色に染め上げた男がガムを噛みながらニヤついている。
「おいおじさん、俺はただお小遣い頂戴って言ってるんだよ?素直に渡してれば痛い目に会わずに済んだのに……」
「そうそう、早く僕達にお小遣いちょーだい。」
「ちなみに一人五万ケリーは欲しいな~」
「あ、財布に入ってなかったら身ぐるみ全部はいで売り飛ばすから気にしないでね」
そう言って二人は笑いだす。
その隙を突いてスーツの男は何とか逃げようとする。
「おっと、逃がす訳ないだろ?ほら、気絶してからお小遣いくれるのか、気絶する前にお小遣いくれるのか早く選べよ」
「そっ、そんな……」
「分かった分かった、気絶してからもらう事にするよ」
そう言って筋肉質の男は右腕を振り上げ、スーツの男めがけて振り下ろした。
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