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「あ~疲れた。もう帰ってもいいかな……」
スーツの男がまだその場にいることなど気にも留めなかった少女は、ネオン街の中を歩きながらぼやいていた。
「うん、帰っていいよね。私がいなくてもこの街は平和だよね」
少女は根拠のない事を言うと足を帰路に向けた。
その時タイミング良く彼女のポケットで何かが震えた。
「え~このタイミングで通信?」
彼女は軽く嘆きながらポケットから携帯電話を取り出す。
一度咳払いをしてから通話ボタンを押すと……
「ただいま電話に出る事ができません。ピーっと鳴ったらメッセージを残してね」
それだけ言うと少女は通話終了ボタンを押そうと親指を伸ばす。
「ふざけた事をぬかすなぁ!!!!!」
「うひゃあ!」
少女は突然の怒号に電話を落としそうになる。
その怒号はすさまじいもので、周りにいた人たちまでもが驚いたほどだった。
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