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梶原の部屋番は確か311。
自分の3つ隣だった。
特に部屋の近さによる害は無かったが、3階のピロティではよく会うし、何より彼は常軌を逸していたので彼についてのイメージは色濃く残っている。
何から書いていいのか分からないが、とりあえず彼との出会いから書く。
彼との出会いは入寮日のことだった。
鍵の扱い方、自習室の使い方、食事など瀬川寮監から説明を受け、確認の質問が自分と梶原にきた。
梶原は答えられず、私に助けを乞う目をしてきた。
坊主で野人そうな彼とは関わるまいと初見で感じた私は目を会わさずやり過ごし、梶原は瀬川寮監の怒号の餌食となった。
彼はお調子者そうだったので苦手なタイプだとしばらく距離を置き、様子を見てみることにした。
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