18才 -7月下旬-

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暑い。 蝉の声にイライラしながら私は、扇風機の前でサイダー味のアイスを食べる。 後ろに立っていた男が私にローキックして来た。 「何よ!!」 「何キレてんだよ。お前、そこで休憩してる暇あんの?」 「ない」 キッパリとそう答えると、男は「はぁ」と大きなため息を漏らした。 「康太も食べたいの?」 「ちげぇよ、もう俺嫌だ」 谷康太。 ほんの4ヶ月前に卒業した高校の同級生で、彼女有り。 「ねぇ、しーちゃんは?」 「大学だよ」 「ふぅん」 康太の彼女のしーちゃん。 しーちゃんは私の親友で中澤しほりという。 「はい。休憩終わりにしような、締め切り間に合わないから」 「う~…、父親みたい」 「うっせぇ」 腕を引っ張られて無理矢理、机の前に座らされた。 私の職業は絵を描くことで、今回は雑誌に3ページ分載せるためのイラストを書いている途中だ。 「康太、暇なの?」 「は……?」 「朝一で家に来たから」 机に座り、反り返りながら康太を見る。
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