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康太の顔がみるみる怒りに満ちていく。
あ、面倒くさいなって思ったときにはもう遅かった。
「今日仕事休みで、お前が今日締め切りだってしほりが昨日言うから身の回りの世話しに来てやったんだよ。わざわざ!!」
わざわざ、と強調する。
わりと心配されてるなと嬉しくなった。
「ごめんね、仕事頑張る」
「分かれば良いんだ、分かれば」
実際、遊んでいる時間はない。
あと3時間で担当さんが原稿を取りに来る。
黙々と仕事をして、時間に遅れることなく担当さんに原稿を渡せた。
「やればできるんだよ、お前は。あ、しほり大学終わってこっち向かってるらさいから3人で飯食いに行こうぜ」
「うん。行く」
私はまた、扇風機の前に戻る。
康太はそんな私に麦茶を出してくれた。
「あれ、あった?」
「さっき俺が作ったの」
「ふふ、ありがとう」
私は何故、康太を好きにならなかったんだろう。
そんな疑問を思いつくくらい、康太は優しい。
まぁ、理由はただ一つだろうけど。
まぁ、しーちゃんの彼氏だったってことも関係あるかな?
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