~チェシャ猫~

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ぽつねんと一人暗い森の真っ只中。 置いて行かれた…。 突然現れて風のように去って行ったあの少年のおかげで、今は恐怖すらも忘れていた。 しばらく私は放心状態でその場に座り込んでいた。 あれ私はなんでこんな所にいるんだっけ? 確かうさぎを追っかけて…見失って… そのうさぎはたしか… 「そうだ、帰らないと!!」 勢いよく立ち上がる。 帰らないと。 こんな所で道草くってる場合じゃない。 今日はアリアの家に行かなきゃ行けないんだ。 あ、でも帰り道が分からないんだった…
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