~チェシャ猫~

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ぼんやりと森が明るくなる。 ふと上を見ると、木の枝の先端が小さな淡い光を放っていた。 その数は徐々に増えていく。 しかし、森の全ての木が光を放ち始めたわけではなかった。 木の光は一本の帯のように、 そう、クリスマスに大きな通りがイルミネーションでライトアップされるかのように灯っていったのだ。 光の帯は私がいる所から始まって、一本の道を浮かび上がらせる。 まさかこれがさっきの子が言っていた事? とりあえずこれを行かない理由は無い。 一人で暗い森の中にいるのも嫌だしね。 そうして私は光の道を歩き始めた。
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