5人が本棚に入れています
本棚に追加
見失った。
由紀、どこ?
やめて
ワタシを置いてかないで。
もう置いてかれるのは…
息が苦しい。
足が思うとおりに動かなくなってくる。
もうどのくらい走ったのだろう。
辺りはすっかり暗くなっていた。
そのせいか足元に突き出た木の根に気がつかなかった。
うっかり木の根に躓く。
「きゃっ」
倒れた先には
穴。
暗く深い穴がワタシを食べようと待ち構えている。
必死に手をのばす。
しかし虚しくも手は空を掴むばかり。
ワタシはそのまま暗い穴へと吸い込まれて行った。
最初のコメントを投稿しよう!