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「今日だって誰かさんのおかげで居残りで仕事させられて帰りが遅くなって…」
「わ、悪い、悪かったって!」
「そちらの彼女は三ッ木君の知り合いかい?」
横から話に入ってきたのは私が来る前からここにいた男性だ。
歳はあまり変わらなさそうだが、子供みたいな三ッ木君とは違ってどこか大人びいた雰囲気がある。
「そうそうこいつ俺のクラスメートの有栖川由紀」
「はじめまして、有栖川さん。僕は服部彰也」
服部と名乗った彼は被っていたベレー帽を脱いで右手を差し出した。
「あ、はい、はじめまして…」
手を差し出され流れに流されるまま握手を交わす。
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