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「あれ?」
道の端に何かおちてる。
白くて、小さくて、ふわふわで…
「うさぎ?」
道の端におちていたのは紛れも無く、白い毛に長い耳を持ったうさぎ。
宝石みたいな紅い目でじっとこっちを見つめている。
ゆっくりと私が近づいて行っても逃げる気配を見せない。
そっと手をのばす。
抱きかかえようとしたところでうさぎはスルリと私の腕から逃げた。
そして私から少し離れた所まで行くと止まってこちらを振り返った。
紅い瞳がじっとこちらを見つめている。
「こんな所に居たら危ないよ。車に挽かれちゃうかもしれないよ」
それでもうさぎは動かない。
ただじっとこちらを見ている。
まるでこっちに来て、と私を呼んでいるみたいに。
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