~チェシャ猫~

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「み、見失った…」 近くにあった木に手をついて息を整える。 無意識のうちに白うさぎを追いかけてずいぶん走っていた。 そして、見失った。 くそぅあのうさぎめ… 日が落ちたのか、それとも今いる場所が木で覆われているからなのか、辺りは暗く、ひっそりとしている。 とにかく帰らないと。 しかし辺りは右も左も木、木、木。 ずいぶん奥まで来てしまったものだと改めて実感する。 どうしよう… 「あんたが白うさぎか」
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