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「何があったんですか?」
「いや・・・あの子がね入居者様のオムツ替えが嫌だって言うんですよ。
ここにパートに来てから何ヶ月にもなるのに今だに1回もやってないんです。
汚いとか・・臭いとか言って・・・それで無理にでもやらせようとしたら怒っちゃって。事務所に戻っちゃったからそこで注意をしたらあんな感じに・・」
「そうでしたか・・・オムツ替えをしてなかったとは知りませんでした。注意してくれてありがとうございます。私からちゃんと話しをしてみます。」
かのこは困った・・・なんと言えばわかってくれるのだろう・・・仕事だからと言ってわかってもらえる相手じゃないし・・・
美紀は応接室でムスッとしていた。
「美紀さん辞めるって本気で言ってる?」
「辞めたいって言うのは本気。でも辞めたら親に勘当されるし・・・」
美紀の親はキャバクラで働いてた娘を何とか普通の感覚に戻したくってここの社長にお願いしてパートで入れてもらったのだ。1年は続けるという約束をしている。守らなければ勘当だと言われているのだ。
「この仕事の何が嫌?」
「全部!汚いし臭いし皆勝手な事言うし。お手伝いさん以下だよ。それに時給も安いし。やってらんないよ。」
かのこはじっと考えてた。仕事の内容は美紀が言ってる通りだ。仕事だと割り切るかこの仕事が好きかじゃないと続けていけないだろう・・・
「明日からあなたの仕事に私がヘルプでつくわ。嫌とは言わないでね。
それから注意してくれた先輩に謝る事はちゃんとしてね。それだけは命令。
わかった?」
美紀は渋々部屋を出て行った。かのこに大きな試練が訪れた・・・
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