月ノナイ夜

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「その子を、離して下さい」 「……聞けんよ。この子は、儀式に必要なのだ」 「確かに……その子なら、高位の悪魔も喚(よ)べるでしょう」 そこまで言うと、メイドはマジシャンのように長いスカートを翻した。 それからその太もものバンドから、筒状のものを取り出して一閃し。己の身長と変わらないくらいに伸びた槍を構え、切っ先を執事へと向けた。 「……人間に、マスターの手を煩わせる訳にはいきません。私が、お相手します」
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