月ノナイ夜

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そう言って立ち去る小さな背中に、ベレトは一つ息を吐いた。 誘拐事件が人間の仕業か、それとも悪魔の仕業かを判断する為、彼女はメイドとして潜入したのだ。それはよく解っている。 ……だが、解っていても『自分の』イリーが他の者に仕えるのは複雑で。 そんなベレトの葛藤を、天然なくせに鋭いところがある彼女は気づいていたのだろう。
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