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だが考え事ぐらい別に個々の自由であり、当然たる権利だ。
大事な前だからとはいえそれを認めないとは、どれだけ許容の小さいヤツなんだよ全く。
「あんた。今心の中でウチの悪口言わなかった?」
「いや、言ってないぞぉ。あっはっはー」
「流石佐々中師匠!見事な棒読みだ!」
「金居・・・・・・俺を尊敬するのは構わんが、なんでも褒めりゃあいいってもんじゃないぞ」
その時、司会進行委員会の人達から早く檀上に上がるようにと催促された。
予定表では1つ1つの発表の間には5分間の時間がある。
腕につけてる時計を見ると、残り2分って所か。
「・・・・・・・・・・て、あれ?」
緊張・・・・・・してない。
「どうしましたか?ここに来て溜まってものが出そうなんですか?じゃあトイレで――――」
「あぁ・・・違うからそれ以上言うな」
「何騒いでんのよ!?」
竹嶌は舞台裏に設置されている檀上に上がるための小さな階段に足を掛けながら、いつも見せる満面の笑みを浮かべていた。
「早く行くわよ!みんなにウチ達の演技を見せてやるんだから!」
ふと思う。こいつの笑顔をいつから見てきたんだろうか。
まぁそんなに遠い過去ではないはずだ。
・・・・・・だって入学してから半月も経ってないんだから。
「とりあえず――――」
入学式の頃からかな。
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