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「仕方ねぇなぁ。代わりに今度缶ジュース奢ってやるよ」
「安っ!え、俺の高校生活って120円ぐらいの価値なの!?」
「そんな事はねぇぞ。頑張ったらペットボトルに昇格する」
「地味な昇格だねっ!?」
変わらない会話を繰り広げていると、校庭から悲鳴に似た叫び声が聞こえた。
「何すんのよ!?」
柱から顔を覗かせて様子を見ると、声のした方を見てみると女子と先生が口論していた。
どうやら女子の方で何か悪さをしたらしい。
「校内でのビラ配りは校則違反だぞ!今すぐにやめなさい!」
「何よ!ウチが自分で作ったビラなんだからいいじゃない!」
「それが駄目だって言ってるんだ!ちょっと来なさい!」
先生が生徒指導室に連れていくべく女子を引っ張ろうとしたが、女子も連れていかれまいと抵抗する。
そのせいで配っていたビラがバラバラに散ってしまった。
その内こちらに来た一枚を松浦が拾って読み上げていた。
「『演劇部員募集中。必ず一年生は来い!』だってさ、誘い方が大胆だねぇ」
「ふーん・・・」
「・・・何だよ?ぼーっとしやがって」
「あぁ、悪いな」
今だに暴れている女子を見て気になる事があった。
袖やスカートの裾のラインの色から同じ一年だと分かる。
しかし気になった事は別にある。
「あいつ、何処かで会ったような・・・・・・」
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