小説家は微笑む

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夏休み前日。 くそ暑い中、たった二時間のために俺は坂道を自転車でのぼっていた。 「あーっ!くっそ!」 学校前にある、きつい坂道。 誰がこんなところに学校なんて建てたんだよ。 ったく、頭大丈夫かよ。 心の中で悪態をついていても、坂が緩くなるわけもなく、道が短くなるわけもなく、ただ必死にペダルをこいでいた。 突然、後ろから車の音がした。 車道に少しはみ出していたため、よけた。 あれ、誰かが車の窓から顔出してる。 ・・・海(カイ)じゃねぇか!(友達です) 「海!セコいぞ!」 手ぇ振ってやがる。 「がんばれー、ヒロー。」 くっそー、後で半殺しにしてやる。 ようやく校門にたどり着き、自転車を押していった。 「海。車なんてセコいぜ。」
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