プロローグ

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「こんにちは。来てくれてありがとね。茜、朝は辛そうだったけど大分落ち着いたみたい。でも十分位前かな。また調子悪くなってきたから寝るって言って寝ちゃったの。今日に限って起こさないでって言ってたんだけど……。ちょっと様子を見てくるね」  十分位前って言うと、ちょうど私がメールを送った頃だよな。  私は立ち去ろうとするおばちゃんを呼び止めた。 「いえ、良いです。起こしちゃ悪いんで帰ります。あっ、良かったらこれ食べて下さい」  私は苺が入った袋をおばちゃんに手渡す。 「気を遣わせちゃってごめんね。美咲ちゃんは本当にしっかりしてるわよね。茜にも見習って欲しいわ。美咲ちゃんみたいな友達を持って茜は幸せ者ね。あっ、言いそびれてたけど、その髪型似合ってるわよ。元が美人さんだから、何でも似合うのが羨ましいわ」  髪型を変えてからは、初めて会うおばちゃん。前もそうだったけど、今の髪型も絶賛してくれて素直に嬉しかった。  ちなみに前の髪型は控え目な茶髪に、若干パープルのメッシュを入れたセミロングだった。それをバッサリ切ってボブにして、色はブルーにした。  どっちかっつーと水色より藍色って言った方が正しい。ミュージシャンでも滅多に居ないだろう。
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