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森に鈍い音と狼の悲鳴が響き渡る。
木の棒は力に耐えきれなかったのかバキッという音とともに折れる。
「……はぁ、はぁ……気絶、したか?」
秋羅は体力、集中力ともに使い果たし肩で息をしている。
しばらくして煙が晴れるとそこには立った状態でこちらを睨む狼の姿があった。
しかし、少しは効いたのか額から血を流し少しふらついている。
「くそっ!ほとんど効いてない」
そして秋羅はすぐさま後ろを向いて走り出す。
さっきの一撃に体力を使いすぎた為ほとんど歩いているのと変わらない速度だ。
狼も直ぐに後ろから追いかけて来る。
「このままじゃ死んでしまう、いつもと違う小道を通って帰ろうとするんじゃ無かった」
そんな後悔をしながら走り続ける。
そして遂に狼に2メートルという距離まで追い付かれ、飛びかかってくる。
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