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「くそっ!これじゃ追いつかれる」
走りながらも周りを見て何か助かる手だてがないかと探す。
すると川辺に木の棒を見つけた。
「おっ、あれを使えばなんとかなるか?」
木の棒を拾って振り返る、狼はまだ20メートルほど先にいる。
赤い狼のスピードは馬の様に速く、距離はあっという間に縮んでいく。
そして5メートルに距離が縮んだ瞬間、狼が地面を蹴る。
秋羅は動こうとせず、その場で体勢を低くし棒を構える。
狼はまっすぐに秋羅に向かって飛んで来る。
秋羅はそれを体を右にずらして避け、それと同時に手に持っている棒を狼の額に向かって降
る。
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