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『あぁ、どうしよう! どうしよう!』
翌日、カラスは娘の帰り道で、娘が来るのを待っていた。
『…ったく! 来てどうなるってんだよ! 俺様のバカヤロ~ッッ!』
心ではそう思っていても、体は正直。
じきに興奮し、逆立つ羽毛。
無意識に悶えている体。
そんな自分を抑えようとしている最中…。
『なんてタイミングが悪いんだ。』
娘が歩いている。
自分がとまっている木の真下を…。
『…っヤバいっ!』
興奮が増してくる。
抑えられない。
この興奮には逆らえない。
プリッ。
ペチャッ。
「きゃあっ!」
カラスは興奮のあまり娘に向かい、なんと糞を発射。
「愛梨ぃ! 大丈夫!?」
「愛梨!あのカラスだっ!!」
一緒にいた二人の女が『愛梨』と呼ばれた娘へと近づいていった。
『あぁ…。あの娘は愛梨って言うんだなぁ。…っへ、可愛らしい名前してやがる。』
カラスは笑った。
目に涙を浮かべながら。
もう嫌われたかもしれない、いや、嫌われた、カラスはそう思うしかなかった。
娘ー…愛梨はカラスの事をとてつもない殺気に満ちた鋭い目付きで睨んでいたからだ。
愛梨が白い糞を頭に乗せたままカラスに石を投げ付けてくる。
さすがソフトボール部、結構高さのある木にとまっていたのにも関わらず、軽くカラスのもとに石が飛んでくる。
しかも顔面直撃。
逃げるという選択肢さえ頭に浮かばない。
そのままカラスは五分位もの間、愛梨に石で虐げられた。
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