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昔から、わたしは本を読むのが大好きだった。といっても、女のコが好きそうな恋愛ものはあまり好きじゃない。どちらかと言うと、ミステリーや探偵小説、ホラーが好き。あとはファンタジー。
当然ながら、周りに同じ趣味の女のコなんていない。だから、言わない。
周りから浮かないように頑張る私が唯一手放せない趣味が、読書だった。
彼に出逢ったあの日は、特にすることもなくて、いつものように電車に揺られて馴染みの図書館に足を運んでいた。
借りていた本も読み終わってたし、何よりその図書館はわたしの知ってる限り1番大きくて、色んな本がある。時間を有効活用するのに、これ以上の場所はない。
蒸し器の中を歩いているかのように錯覚するほど暑い道のりを歩くこと、10分そこら。見えてきた外装に、わたしの頬が抑えきれず緩む。
今日は何を読もうか。新刊コーナーには何か目ぼしい本があるだろうか。そういえば、今月はわたしのお気に入りの作家が新刊を出していたはず。誰かに先を越されていないと良いな……
色んなことを考え始めれば、自然と足も軽くなり図書館の前に立ちはだかる坂さえも苦なく進むことが出来た。
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