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するとゆっくりロイが話しだした。
「いい加減にしろ。いいか?皆よく聞け。今の時期こんな事は当たり前だ。毎日毎日雨ばかり。そうすれば自ずとどこの店も客入りが減り、残飯なんて出こなくなる。それを目当てで俺等みたいな野良犬、野良猫が競争し出している。前の用に豊富に残っていれば、自分達の食い扶持だけを持って行って、明日また取りに来れば良かった。だが、今はそうじゃない。明日の食料もままならない状態だ。皆自分が生きるのに精一杯なんだ。マロは今でも一生懸命この雨の中やってくれている。でも今はそのマロでも無理な状態だ。自分達だけで調達しろと言うのは、今までのお前等には厳しいかもしれないが、そうやってくれ。狩りの出来ていた者はなんとか自分の感覚で思い出せる筈だ。狩りの出来ない者はマロに教えてもらってくれ。今はそうやって耐えるしかない。冬は今よりも過酷だ。自分が生きる為だ。すまないが頑張って欲しい。」
そう僕達にロイは言った。
理解は出来た。僕達が遊んでいる中で毎日毎日マロは僕達の為に遊びもせずに探してくれていたんだ。
僕はそんなマロに怒ったりしてなんて情けないんだと思った。
マロはいつもよく頑張ってくれている。
僕もなんとかやってみようと思った。
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