こよみドリーム~夢見る暦お兄ちゃん~

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「おや、アララト山。お久しぶりですね」 「出会い頭に突っ込むのもどうかと思わなくもないが、やはり突っ込みのオールラウンダーとして言わせてもらうとだな、八九寺、僕の名前はトルコ東部、イランとアルメニアの国境近くにあって、ノアの方舟が漂着されたといわれている山じゃない。僕の名前は阿良々木だ。阿良々木さんだ」 「失礼。噛みました」 「違う、わざとだ……」 「噛みまみた」 「わざとじゃないっ!?」 「蟹食べた?」 「まだだよ!」  ていうか、アララト山なんて誰がわかるんだよ……僕じゃなきゃ突っ込めなかったぞ。  ちなみに読みは、『あららとやま』ではなく『あららとさん』。  『あららぎさん』と『あららとさん』を掛けたのだろう。  そういえば、つい反射的に答えちゃったけど──そうだ、早いとこ、戦場ヶ原と蟹を食べに行かないと。  どうしようかな……予定とか……戦場ヶ原にも訊かなきゃならないし……。 「おや? 阿良々木さん、私を前にしているというのに上の空ですか?」 「ん、ああ。少し考え事してたんだ。悪い、太刀筋」 「阿良々木さん? 私の名前は八九寺であって、決して太刀を扱う時の素質を見極めるなんちゃらではありませんよ?」  なんちゃらって。  そこしっかりしろよ。  まあいいけどさ。 「失礼、噛みました」 「いや、絶対わざとです」 「噛みまみた」 「わざとじゃありませんっ!?」 「貝柱」 「脈絡も伏線も無い事を言わないで下さいっ!」  いやいやいや。  ボケた僕が言うのもどうかと思うけど、お前もかなり脈絡なかったぞ、今まで。  今回の蟹や、蜂の時のファミマとかはともかく。 「さて、恒例のやりとりをつつがなく完了させたので、話をしましょうか」 「恒例とか言うな」 「しかしですね、阿良々木さん。私達の場合、このやり取りがあってこそ、始まるとは思いませんか?」 「いや、まあ、そりゃそうだけど」 「あるSNSのあるサークルで、私が噛んだ作品を投稿するコーナーが作られるくらいですし」 「サークル!? コーナー!? 何言ってんだお前!?」 「いやですね、阿良々木さん。分かっている癖に」 「何が!?」 「ほら、必死じゃないですか。必死に私のメタ発言を止めようとしているではありませんか」 「メタとか知らないメタとか知らない!」  まあ、原作であれだけアニメとかエンディングのダンスとか言っちゃってるし、そこから既にメタだけども。
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