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僕は今日も油絵の具の香りの中、暖かくて柔らかい筆からカラフルで幸せな色を溢れさせる。
遠い異国で戦い続けているだろう、きっと同い年の少年兵を想いながら祖国の言い付けに背きつつ。
残すものをなるべく多くするために、ただ僕はたくさんたくさん絵を描いた。
遠い異国で鬼となる少年兵に涙しながら。
筆を取るのは非国民だと言われながらも、僕はただ絵を描きつづける。
筆を取るのは非国民だと罵られながらも僕は悴む指に筆を持つ。
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