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廊下に出ると同僚達はロビーで待機するためにエレベーターに向かった。
「おい、チョン・ユノ。」
ユノは上司に行く手を阻まれる。
「何でしょうか？。」
嫌な予感がした。
「お前はすぐに王子の部屋に戻れ。」
真剣な眼差し。
肩に置かれた大きな手。
「廊下で待機と云う事ですか？。」
詳しい内容を確認しようとすると、上司がにやりと笑った。
「世間知らずの王子様をしっかりお守りするんだ。」
「え？。」
「よかったな、美人で。」
じゃあ、俺は帰るからと上司はそのままエレベーターに向かった。
予想は的中。
『お世話役』の名前通り、賓客二人に付き添わねばならないらしい。
それは警護だけでなく、観光案内から食事の世話から土産の支度まで。
通常なら専門の役職が勤めるのだが、今回は非公式訪問という事と王子のたっての願いで警護課から選ばれたらしい。
面倒なことこの上ない。
重くなる足取りで、回れ右してついさっき出たばかりの部屋に戻った。
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