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芹沢巻菜の視点。
現世に戻れるのでワクワクしながら目を覚ますと。
何と、驚くべきことに私たち二人は病院のようなベットの上に寝ていたのです。
…………ああ、もちろん別々のベットですよ?
と、誰にともなく釈明して。
あのカプセルに入ったはずなのに、これはどういうことでしょう?
と、疑問に思いました。
周りに人影は有りません。
隣のベットで呑気そうに寝ている男の子だけです。
そう言えば。
多分雅人くんである男の子も、少し本人とは見た目が違いますね。
ま、それはそうとして。
「起きてくださいよぉ~」
と、頬を引っ張ってみた。
実はこれ、一人っ子の私としては夢だったのだ。
期待を裏切らず、雅人くんの頬はめちゃくちゃ柔らかい。
この感触に病みつきになってしまいそうです。
………………むにょ~ん、と自由自在に伸びるほっぺたと戯れていると。
「……………………いひゃい」
少し不機嫌そうな顔で、雅人くんが起きちゃいました。
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