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肩がぶつかった方を見ると、私と同じくらいの少年が、軽く一礼してから眠たそうな顔で空いた席に座っていた。
安っぽい化繊のジャンバーにジーパンという簡素な服装で、顔もやや地味だがそこはかとなく清潔感がある。
学級委員とかしてそう。
………………それはそうと眠い。
やっぱりこの私に5時起きは無謀でした。
面接試験の場所はどうせ終点だから問題ないし。
そう思って、私は眠気に完全降伏したのでした。
夢を見ていた。
夢の中では。
実はさっきの男の子は宇宙人(頭から触角が生えてきたりする感じ)で、地球征服をしようとしていた。
その男の子が何か高笑いしながらUFOに乗ってミサイルをバンバン撃ってきて、必死に逃げていると近くに被弾して地面がぐらりと揺れて……………
と、後で思い返して小一時間は悶絶したアホな夢を見ていると。
体がふわりと浮いた感覚がして。
次の瞬間、激痛が脇腹に奔り、私の意識は断線した。
それから後のことはあまり覚えていない。
さっきの男の子が、血まみれになりながら泣きそうな表情で何かを必死にしているのや、バスが急に燃えたりしたのを断片的に覚えている。
後から雅人から聞いた話と総合すれば。
雅人が施してくれた応急処置の甲斐もなく、私は多分出血多量で死んでしまった。
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