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カチッカチッカチッ
神谷は規則的に動き続けるアナログ時計の秒針の音で気がついた。
(一体さっきの頭痛はなんだったんだ?)
薄暗い建物の中に神谷は倒れていたが、神谷には何故こんな場所に居るのか理解できない。
(何処だここは?確かコンビニに行こうとしていたはずだが…)
カチッカチッカチッ
相変わらずアナログ時計は小刻みに動き続けている。
(何だか気味が悪い場所だな…。とにかく外に出よう。)
神谷は、薄暗い部屋の中をさ迷いながら、何とかドアにたどり着いた。
ガチャ
(何だ。廊下か。赤いカーペットが敷いてあるなんてここは古い洋館か??)
神谷が激しい頭痛に襲われたのは、まだ昼過ぎだったが廊下の窓からは月の光が差し込んでいる。
(一体何時間気を失っていたんだ?)
神谷は1階に降りる階段を探し始めた。
どうやら月明かりでぼんやりと見える窓の外の風景から、ここは1階ではないと判断したようだ。
(それにしても広い洋館だな。人は住んでいないのか?)
神谷は洋館をさ迷い続ける。
次第に神谷の目は暗闇でも見える状態になってきた。
(ほんとに気味が悪い所だな。幽霊とか出るんじゃないか?)
ドカッ
神谷は何かに躓き転倒した。
何に躓いたんだ?
神谷はズボンのポケットから携帯電話を取り出し、画面のライトの明かりで躓いた辺りをぼんやりと照らした。
!?
(ひっ人か!?)
神谷は恐る恐る近づいた。
序章 完
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