プロローグ

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ある日、私の仲の良い友人が恋をした。 私は耳を傾けて、恋愛経験のない私が、よくでたらめな相談を受けていた。 彼女はそれを分かっていて相談に乗っていたのだろうか…… しかし、その恋は叶ったのだ。自分のことのように素直に喜べた。 幸せそうな彼女を見て、少し羨ましく思えた。 「穂香も恋しなよ」 私も…私にも恋が出来るの…? ううん。きっと私には縁のない話… そんなことを秘めていた。 こんなことを言えば彼女が哀しくなってしまう。 精一杯の笑顔で、 「…うんっ」 と頷いた。 満足した表情の彼女に、少し罪悪感を抱きながらその場を去った。
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