紺碧の愛しかた

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俺の一日は執事である、松下 純によって始まる。 目覚まし代わりに毎朝聞こえるのは純の声だ。 「星様、朝です。起きて下さい。」 毎日毎日、この言葉を繰り返す。 「…あー…もう朝?」 「ええ。朝です。」 「また今日が始まるのか。」 未だしっかりと開かない重い瞼を擦りながら欠伸を一つすれば動きたくないと駄々をこねる体にムチを打つ。 一旦起きてしまえば先程の気だるさは何のその。 意外と早々と冴える頭にいつも溜め息をつきたくなる。 「純、今日の予定は?」 「星様の今日のご予定なんですが…朝から大学での講義が入っております。それが終わりましたら夕方からお屋敷で櫻木カンパニー創立三十周年パーティーが御座います。」 「…ああ、そうか。もう三十年もたつのか。この馬鹿げた会社も。」 「星様、その様なお言葉は…」 「別に構わないだろ。俺は次期社長なんだし、自分の会社をどう言おうと。それと、二人の時に様なんて付けるなよ。」 「…申し訳ありません。」 「あと、その喋り方もいいから。普通に話せよ。」 顔を洗い歯を磨き、スーツに着替えながら純をみつめる。
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